今日は、どのようにすれば「家族全員が抱えている気持ちをオープンにシェアできる環境」が作れるかについて話したいと思います。
まず最初に「気持ち」と「自己肯定感」の関連性について話していくことにしましょう。
気持ちをシェアする環境づくりと自己肯定感の関係性
レバイン式子育ては、欧米での「自己肯定感の構築」についての最新の研究結果に基づいて開発したフレームワークなので、まず、科学的に行われた研究の結果を見ていきたいと思います。
ハーバード大学の発表
ハーバード大学のCenter on the Developing Child という幼児教育に特化した研究機関は、その論文でひとつの研究結果を発表しました。その研究では、幼児期の安全な人間関係は以下のようなメリットと成長につながることが明らかにされました(ちなみに、スタンフォード大学やエール大学などでも同じような研究結果が発表されています)。
◆自己肯定感の構築
◆学習意欲の向上
◆攻撃的な衝動を抑える力
◆善悪の区別を理解する能力
さらに驚くことに…
自分の気持ちを安心して伝えられるような環境の家庭で育てば、その子どもが親になった時に同じような環境を作るという研究もあります。
ちなみに、これは「親」だけでなく「教師」にも意識していただきたいところです。最新の研究では、親以外の人と健全で安定的な関係を作ることでも、上記と同じようなベネフィットを得られることが明らかになっています。ぜひ教師のみなさんも、教室など子どもと接する環境で、レバイン式子育てを取り入れてみてください。
幼児期の安全な人間関係づくり・健全な環境づくりとは
幼児教育の研究結果で発表されている「安全な人間関係づくり・健全な環境づくり」とは何か。そして、どのようにすれば、それを実現できるでしょうか。
その方法を、欧米の専門家たちがたくさんあげていますが、こちらでもいくつかご紹介しましょう。
① この表現をもっと使おう
② お子さんの話を最後まで聞いて最後にまとめを繰り返す
お子さんのお話の途中で、親が自分の意見を述べたがる場合もあると思いますけど、決してお子さんの話を遮らず、いったん最後まで聞くようにしましょう。
そして、最後に「◯◯が起きて、◯◯の気持ちになったね。なるほど」などのように「あなたの言っていることをちゃんと理解しているよ」ということを伝えるようにしましょう。これはActive Listeningともいいます。
③ お子さんの気持ちを否定しないための表現をもっと使おう
例えば、幼稚園で◯◯くんが何かの悪口を言ったとしましょう。それを言われたお子さんは悲しくなって、その夜、親にそのことを話すでしょう。そういう時に、親は次のように言って、お子さんの気持ちを決して否定しないようにしましょう。
It's okay to feel〜〜 を使おう
「It's okay to feel ______. 」
この英語の言い回しはとっても大事です。子育てをするなかで、自己肯定感を高めるために非常に大きな意味のある英語の表現です。
直訳すると「〜という気持ちになるのは大丈夫よ」ですが、ニュアンスとしては「どんな気持ちになっても大丈夫だし隠さなくてもいいよ」というニュアンスになります。
愛情を与えよう
はっきりと愛情を表現することで、お子さんは安心します。
愛情を表現する形は人それぞれです。ハグやキス、「好き」という言葉、時間を一緒に楽しく過ごすということも愛情表現のひとつでしょう。
どれが正解ということはありません。自分に合う愛情表現を見つけてどんどん愛情を見せましょう!
親は見本になる
お子さんの気持ちをいつでも正直に伝えてほしいのなら、親も同じようにしましょう。
例えば、パートナーに何かを言われて傷づいたら、そのパートナーに「◯◯と言われたら、◯◯という気持ちになる」と言葉で伝えるようにしましょう。
そして、例えば、お子さんからこう言われたら、こんなふうに親の気持ちを打ち明けましょう。
しゃがんで気持ちについて話し合う
「気持ち」のような深いテーマについてお子さんと話す時は、子どもと目線を合わせるようにしましょう。
話しやすい雰囲気を作る工夫が必要だと多くの専門家もすすめています。
さまざまな感情の名前に慣れよう
「怒り」や「幸せ」など、気持ちを表現する言葉はたくさんあります。
気持ちについて話し合う習慣をつけるために、次のようなことを話してみるといいでしょう。
・◯◯な気持ちはどういう時に感じる?
・◯◯な気持ちにはちゃんと名前(呼び方)があるよ
ぜひ、おうちで取り入れて、とにかく「気持ち」についてたくさーん話し合ってみてください!どんな時でもいいですし、どんな気持ちでもいいです!