絵本「おつきさまこんばんは」で、お子さんに正解のない質問を投げかけてみよう!(英語と日本語付き)

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「おつきさまこんばんは」は、皆さんのおうちの定番絵本のひとつになっていると思います。

この絵本は、アメリカ人のママでさえ、日本で子育てしている以上、間違いなくレパートリーに入ってきます。わが家では、子どもが0歳の頃からずっと読んでいますし、5歳になった今でもまだ、この絵本を読むのが大好きです。

この絵本がオススメな理由

「おつきさまこんばんは」は、絵もストーリーもとてもシンプルで、どの年齢の子どもにとってもわかりやすいのが特徴です。

だからこそ、小さい子どもたちの大好きな絵本になっているのですね。

ご紹介絵本

幼児教育者の目線でいうと、この絵本の一番のおすすめポイントは、

  • 原色が使われているので、小さな子どもにも見やすい
  • おつきさまに「顔」があって「泣いちゃうよ」といったような文章で「人の気持ち」について考えさせてくれる
  • テーマは「月」と「夜」なので、子どもの「おやすみモード」にぴったり
  • 言葉のリズムが優しく、テンポもいいため、寝る前の子どもの気持ちを落ち着かせてくれる

しかし、ほぼ毎晩、この絵本を読み聞かせしている親の中には「読み方に広がりはないのかな?」とか「もっと親子でこの絵本を楽しめるようにできることがないのかな?」という気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、ぜひ、皆さんにレバイン式子育て流の「絵本の読み聞かせ」をご紹介したいと思います!

今日の記事で

今回の記事で紹介する「正解のない質問」や「親子対話トピックス」は、全てレバイン式子育てのフレームワークに沿って作文したものです。もしも「0歳の赤ちゃんにこんな語りかけをしていいの?」と少しでも疑問を感じる方は、ぜひレバイン式子育ての紹介ページもご覧ください。

語りかけのアイディア

さっそく様々な語りかけ事例をご紹介します!

「おうち英語」を実践されている方のために英語も追記しますね。よかったら音声ファイルもお聞きください。

想像力につながる語りかけ

語りかけ①
この家の中に誰が住んでいるかな?どういう人が住んでいるのかな?
I wonder who lives in this house? Hmmm...what kind of person could live in this house?

もちろん正解はないので、お子さんが「家族!」「猫!」など、何を答えても否定する必要はありません。だって、正解はないのですから。

ここでは、正解がないのに勇気を出して答えたお子さんを褒めたいところです。例えば「猫が住んでいる!」と答えたらこのようにフォローしましょう。

語りかけ①(フォロー)
猫ね! なるほど! 面白い! この猫ちゃんが住んでいるのかな? それとも別の猫ちゃんかな。よく自分で考えられたね!
A cat? Oh! That's interesting. I wonder if it's this cat or another cat? That was a great guess!

親子の想像力を伸ばすために、こういう語りかけもできます。

語りかけ②
この猫ちゃんは何をしているのかな? 何をしていると思う?
I wonder what this little cat is doing here? What do you think he's doing?

意見を聞かれ慣れていないお子さんの場合は、すぐに答えが出てこないかもしれません。そういう場合も、心配する必要はありません。レバイン式子育てを少しずつ実践していけば、いずれ必ず意見をはっきりと言えるようになります。

答えが出てこない時には、こういったフォローをするようにすればいいでしょう。

語りかけ②(フォロー)
ママはね、この猫ちゃんがここで昼寝していると思う。なんか、眠そうな感じがする!
Mommy thinks this little cat is just relaxing here taking a nap. Doesn't it look sleepy?

思考力につながる語りかけ

どの絵本でもそうですが、何か展開があった時は、思考力を伸ばす絶好のチャンスです。ちなみに、これは、アメリカ人の教員はもちろん、「国際バカロレア」などのような国際カリキュラムの先生たちがよく使うコツでもあります。

語りかけ③
あら! 家の電気がついたみたいね。なんでかな?
Oh, look! The lights came on in the house. I wonder why.

正解のない問いかけに慣れていない子どもなら、たいていの場合「夜になったから電気がついた」と答えるはずです。なぜなら「正解」について考えることに慣れているからです。

できれば柔軟性のある「思考力」を身につけてもらいたいので、この時、他の選択肢も与えてみるようにするといいでしょう。例えば、

語りかけ③(フォロー)
そっか、夜になったからね。もしくは、住んでいる人は、電気がちゃんとつくかどうかを確認したかったからかな?昨日壊れていたからとか。あと、住んでいる人は、明るい部屋が大好きだからとか? それもありかもね。なんでだろうね(そのまま次のページに進む)
Oh yeah! Maybe the lights came on because it's night time. That could be it. Another reason could be that maybe the lights were broken yesterday and the person who lives here wants to make sure they're working today. Or maybe the person who lives here, just loves bright rooms. Hmmm...I wonder.

エンパシーにつながる語りかけ

エンパシーとパッと聞くと、多くの方は「思いやり」だと思うのではないでしょうか。

欧米(そして子育てや幼児教育の分野など)では、エンパシーという言葉が意味することは「相手の気持ちを想像しながら、その人と接する」ことです。つまり、相手の気持ちをイメージしながら行動することですね。

エンパシーは非認知能力のひとつで、非常に大事な能力でもあります。グローバル人材を育てる上でエンパシーは必要不可欠な能力なので、レバイン式子育てのフレームワークのひとつの基礎要素にもなっています。

絵本の読み聞かせの時間は、子どもにとってエンパシーを学べる大きなチャンスです! 以下の語りかけ例文をご覧ください。

語りかけ④
屋根の上にいる猫さんたちは、おつきさまに対して何を言っていると思う? ◯◯ちゃんなら、おつきさまに何を言いたい?
I wonder what this little cat is saying to the moon. What would YOU say to the moon?

エンパシーを教えるためには「違う人の立場に立って考えること」が大事です。こういう10秒もかからないぐらいの語りかけ(レバイン式子育てでいう「大さじ一杯」の語りかけ)をすることによって、本当の意味でのエンパシーについて、親子で考えられるようになります。

語りかけ⑤
おつきさまが目を閉じているね。なんでかな? 何を考えているのかな?
Look! The moon's eyes are closed. I wonder what the moon is thinking.

お子さんからの回答がなければ、このようにフォローしましょう。

語りかけ⑤(フォロー)
「あああ、まだまだ眠いな」とおつきさまは思っているのかな? それとも「あらら、皆さん、おはようございます」と思っているのかな? だって夜だけど、おつきさまにとっては起きたばかりだから「おはよう」というかもね。
Maybe the moon is thinking, "I'm still sleepy. I just woke up." Or "Oh, good morning, everybody!" Because for the moon, it's morning, right?

クリティカル・シンキングにつながる語りかけ

以下の語りかけを一度ご覧ください。

語りかけ⑥
雲がきた時に、おつきさまはどういう気持ちになったのかな? 悲しくなったのかな? それとも、雲と話すのが好きなのかな?
How do you think the moon felt when the cloud covered it? Do you think it made the moon sad or do you think the moon likes talking to the clouds?

実は、この語りかけは、①〜⑤より一段と難しくなっています。レバイン式子育てを実践されてきた数百名の生徒さんが「最も難しい語りかけのひとつ」だと言っている語りかけです。

それは何故か。絵本の絵や文は、雲がおつきさまの顔を隠していて「おつきさまが悲しくなる」という雰囲気で書かれているからです。つまり「回答がそのままページに書いてある」から、あえてそれと違うことについて話し合うのは非常に難しいと、ほとんどの人から聞いています。

しかし、絵本でも、書籍でも、何でもそうですが、

これは「クリティカル・シンキング能力」といわれるもので、いま最も必要とされるスキルのひとつです。

絵本を読む時に、どんな展開になっても「それが当たり前」と思わないように。そして書いてあること以上に、たくさん考えて対話してみるようにしましょう。

親子のクリティカル・シンキング能力を伸ばす語りかけを、もうひとつ見てみましょう!

語りかけ⑦
雲は本当におつきさまと話したかったと思う? それとも嘘をついちゃったのかな? 例えば、ちょっとだけおつきさまにジェラシーを感じて、おつきさまより明るく輝きたかった、とか。どうかな?
Do you think that the cloud was talking to the moon just because it wanted to chat with the moon? That's what the cloud said, but do you think maybe the cloud was lying a little? Like, could it be that the cloud was a little jealous and just wanted to shine a little brighter than the moon? Hmm...I wonder.

この語りかけは、非常にレベルが高いものです。アメリカの高校生でも長く議論できるはずです。それはなぜかというと

まとめ

「おつきさまこんばんは」は至って「シンプル」な絵本です。しかし、レバイン式子育てを活用すれば、エンパシー想像力を伸ばせるだけではなく、日本の高校生でさえまだ完璧にマスターできていないクリティカル・シンキング能力も少しずつ高められるようになるはずです!

そういうスキルを身に付けながら、素敵な絵本を親子で読むという素敵な時間を過ごせます!

レバイン式子育ては、まさにそういう子育て方法です。日頃のお子さんと過ごす場面で、ほんのちょっとしたスキマ時間を使って、子どものグローバルな視野を作ることができるのです。

ぜひ皆さんも「おつきさまこんばんは」を読んで、レバイン式子育ての語りかけを行ってみてください!

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