子どもの潜在能力を引き出すための「認知能力」の褒め方

現在、日本で「非認知能力」がブームになっています。これまで日本では「テストの結果」や「正解」にこだわる教育の仕方がメインだったので「非認知能力はどうする?」と悩むのは当然のことです。

この非認知能力については、ハーバード教育大学院のEASEL Lab研究所でも研究が進められていますが、ハーバード大学は2016年に「非認知能力」という言葉自体に問題あるという見解を発表しています。

どういうことでしょうか? それは「非認知能力」は「認知能力」と別の能力であると勘違いされやすいから、ということです。

実際に「非認知能力」に含まれる多くの能力を育てるためには、集中力や反省力、問題解決などのような「認知能力」が必要とされます

したがって、ハーバード大学では「認知能力」と「非認知能力」を別々の能力として考えるのをやめて、一緒に考えることを勧めているのです。

日本ではどうか

こういう背景があるからこそ、日本で子育てしているアメリカ人としては、いま8歳になった息子と5歳になった娘が、公文の算数やチャイルド・アイズの知育コースのプリントなどをやっている時に、どのように彼らを褒めればいいのか、かなり悩んでいました。

算数のようないわゆる「非認知能力を伸ばす」ドリルなどをお子さんがやっていると、親としても子どもとしても、どうしても「正解」にこだわってしまいます。算数ですので、当たり前ですよね?

でも、ハーバード大学が発表しているように、認知能力の中にも非認知能力があり、その逆もあるので、完全に分けて考えないほうがいいわけです。

そこで今回の記事は、次のようなテーマを取り上げたいと思います!

今日のテーマ

日本の教育は、認知能力を伸ばすことに非常に大きな力を注いでいます。ぜひ、非認知能力と認知能力、両方とも伸ばせる褒め方をしてあげましょう!

ここでは、認知能力を伸ばすための褒め方を6つ紹介していきます。

①できるようになったことを褒める

お子さんが掛け算のプリントなどをやっている時に、つい「正解!すごい!」などと言ったりしていませんか?

でも、こちらの動画をご覧ください。ここ数年、アメリカの幼児教育の専門家たちは、正解したことを褒めるのではなく、お子さんが「できるようになったこと」を褒めるべきだとすすめています。その褒め方を動画でご覧ください。

レバイン式子育てでは「できるようになったこと」を褒めるために、こういう語りかけを皆さんにおすすめしています。

語りかけ1〜3
先週までできなかったのに、頑張って練習したからできるようになったんだね
この間、覚えている? こういう問題ができなくて、自分にイライラしていたね? でも諦めなかったから、できるようになった! すごい!
パパもこの間、◯◯ができなかったけど、今日やってみたらできるようになってた! やっぱり諦めなくてよかったね!

②頑張りを褒める

これは①にちょっと似ていると思われそうですが「正解したこと」とか「できるようになったこと」とかではなく、とにかく頑張っていることや諦めていないことを褒めるパターンです。

ここで大事なのは、親自身が、過去に苦戦したことを思い出して、子どもへのエンパシー(気持ちを想像して行動すること)を見せることです。

語りかけ4〜5
毎日、頑張っているね。「もういやだ」って思ってもおかしくないのに◯◯ちゃんがそれでも、自分の将来のためだとわかっていて頑張り続けているね。すごいね。
パパも昔、こういう算数をやっていたよ。やっぱり毎日ドリルをやってて大変だったし、5枚終わったら頭が燃えている感じがしていたのをよく覚えている😂やっぱり顔張ることが大事だね。
毎日、算数のドリルをやってて、ベストを尽くしているのをママにもわかる!

③問題の「発想」と「概念」にフォーカスする

これは説明しにくいですが、算数や化学には「発想力」が必要ですよね(解き方とか)。子どもが何かの問題を解決するためには、発想することを理解していないといけません。そういった「理解」を褒めることが大事なのです。

例えば、掛け算の問題を解いている時に「難しい掛け算をスピーディにできるようになったね」と褒めるよりも、

語りかけ6〜7
掛け算の解き方のコツを掴んだね! すごい!
掛け算の解き方のコツを掴んだみたいね! こういうコツを見つけるのはとても大事だけど、すぐに誰にでもできるわけじゃない。よく頑張っているね!

これは、認知能力を育てるためには、とても大事な褒め方です。こういう褒め方をしないと、つい「正解」にこだわってしまうことになりかねません。

④解いた順番を褒める

多くのいわゆる「認知能力系」の科目の場合は、問題を解決するために「解く順番」も考えないといけません。これもひとつのコツですね。ですので、解いた順番やその問題を解決するためにお子さんがとったアプローチ(解き方)など褒めましょう。

こちらのYouTube動画にも、私が娘の認知能力を褒めたシーンがあります。娘がワンダーボックス for docomoの教材を使っている時に、彼女の解き方を褒めています。

語りかけ8〜9
なるほど、まずこれをやって、その後にこれをやったんだ。そういう順番で解いたんだね。なるほど!
途中で順番を変えたね!「この順番では解けないな」と思ったかな。それで解く順番を変えたんだね。うん、そういう試しも大事!

⑤ダブルチェックしたことを褒める

問題を解決した後にダブルチェックすることが大事です。これは子どもの時だけではなく、社会人になってからでも大切なことです。

例えば、メールを送る前や大きな仕事を納品する前など、ダブルチェックしたほうがいいという場面が結構たくさんあります。

お子さんが、主に「認知能力」を伸ばすドリルや宿題をやっている時にダブルチェックをした場合は、ぜひ「ダブルチェックしたこと」を褒めてあげましょう。こういう認知能力系の宿題の場合は「ダブルチェックが必要」な宿題が多いので、ダブルチェックを褒めるチャンスがいっぱいありそうです!

語りかけ10〜11
わーすごい! 自分の回答をもう一回確認したね。それは「ダブルチェック」というよ。仕事でも、ダブルチェックしないと大変なミスを起してしまうことがある。◯◯ちゃんはまだ◯◯歳なのにダブルチェックをやっているのってすごいね!
次の質問に進む前に、ちゃんと前の質問の回答をもう一回確認したね。すごいね! それってどこで覚えたの? それは「ダブルチェック」というけど、本当にできない大人もたくさんいるのに◯◯ちゃんはできるんだ! すごい!

⑥整理整頓を褒める

日本では、もしかすると当たり前のことだと思われるかもしれませんが、当たり前のことでもちゃんと褒めることが大事です。

お子さんが、例えば、宿題などをしている時に、もし、きれいに鉛筆とか並べて勉強しているのであれば、それを褒めましょう。その子ども自身の努力で作られた習慣なので、しっかり褒めてあげるべきことです。

ちなみに、アメリカ人の学生や大人たちの多くは整理整頓の問題を抱えています。こちらの動画でも見られるように、アメリカ人の高校生の自宅のデスクや寝室、学校のデスクやロッカー、リュックなどは本当にごちゃごちゃしていて、当然のように勉強に影響します(動画を観てビックリしないでくださいね😂)。

以上、認知能力に強い日本の子どもたちに、この記事で紹介した褒め方をぜひ実践してみてください!

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