健康な赤ちゃんを育てるために不可欠な情緒的健康
「健康な赤ちゃん」という言葉を聞くと、皆さんはどんなことが頭に浮かびますか?
この言葉を聞いたら、おそらく
などのような、子どもの身体的な要素をイメージする親や保護者が多いと思います。
しかし、自信と自尊心のある「健全な感情的人生観」を育むためには、良好な情緒的健康も同様に重要なのです。
この情緒的な健康は、英語では「emotional needs」と呼ばれていて、アメリカ人の多くの親は、赤ちゃんが生まれた日から、この情緒的な健康を家庭でどう築けるか、つねに意識しています。
ここ数年、日本でも、分娩室で「カンガルーケア」をする親が増えてきて、赤ちゃんが生まれた瞬間から愛情を伝えるために大事なことのひとつだと認識されはじめています。
しかし、ネットで「情緒的健康」といったキーワードで検索しても、一般のママやパパの子育てブログなどが見つからず、厚生労働省などの学術的な発表が表示されるだけです。
おそらく、日本では「赤ちゃんの情緒的健康」についての知識が、まだ一般的ではないからだと思いますが、私が生まれ育ったアメリカでは、幼い頃から、赤ちゃん・子どものメンタルヘルスが重要されているのです。
赤ちゃんの情緒的な健康のために何が必要か?
アメリカの小児科の学者によると、赤ちゃんの情緒的な健康は、さまざまな要素で構成されているといいます。
この5つの項目について、ひとつの記事にまとめて書くのは難しいので、ここでは5つ目の「精神的な安全な環境」づくりについてのみ紹介していきたいと思います。
アメリカ人の親たちは、赤ちゃんにどういう言葉をかけているか
英語と日本語で、ご紹介します。
何でも話していいよ
アメリカ人の親は、日頃からよく「何かあったら、いつでも話していいよ」と子どもに言います。
ネイティブのママによる英語の音声
どんな気持ちでも話していいよ
アメリカの家庭では「気持ち」について話すことが多いので、こういう語りかけをよくします。
一見すると「愛情表現」だと思われがちですが、こちらは「ソーシャルエモーショナルラーニング(SEL=社会性情緒な学び)」という分野に含まれ、愛情を超えて「子ども自身の気持ちを理解する」能力につながる語りかけです。
ネイティブのママによる英語の音声
ネイティブのママによる英語の音声
ネイティブのママによる英語の音声
親は味方である
アメリカでは「何があっても味方だよ」という表現は、子育ての決まり文句であるといっても過言ではありません。私たちアメリカ人の親は、こんなふうに赤ちゃんや子どもによく話しかけます。
ネイティブのママによる英語の音声
まとめ
赤ちゃんの情緒的な健康を満たすためには、精神的に安全な環境を構築する必要があります。
赤ちゃんは生まれた日から、日頃の接し方によって「自分に価値があるかどうか」「自分が愛されているかどうか」「自分がこの世界を変えられるかどうか」を全て学んでいきます。
だから皆さんも、何気ない日頃の接し方を通して、赤ちゃんに次のようなメッセージを届けるように心がけましょう。
この家にいれば、あなたはいつも安心できるよ。どんなあなたでもずっと愛されるし、ずっと尊重されるよ。
このメッセージを、あなたが伝え続けていれば、赤ちゃんの自尊心はきっと少しずつ形成されていくでしょう。