【英語の魔法の言葉】アメリカの学校で先生が使っている言葉

インスタで話題になったアメリカ式教育の動画

先日、レバイン式子育ての公式インスタグラムに「生徒がうるさくて落ち着かない時に、アメリカ人の先生がこの◯◯の魔法の言葉を投げかける」という動画をアップしたら、多くの方からDMをいただきました。

そのインスタ動画はこちらからご覧になれます。

この「魔法の言葉」は英語で「Attention getters」といって、ひとつの言葉ではありません。さまざまなパターンがあります。

Attention gettersは「静かにしてほしい」という時に、非常に効果的な合図です。基本的に先生がこの言葉を生徒たちにかけると、生徒が「ああ、落ち着く時間だ」と理解してくれます。

このアメリカの教育の文化についてもっと知りたいというDMをたくさんいただいているので、今日はこちらの記事で、アメリカの小学校で使われているAttention gettersについてもっと深掘りしていきたいと思います!

なぜ、こういう「合図」が必要?

「わざわざこういう合図を作る必要があるの?」という疑問を持つ人もいると思いますので、最初に説明しますね。

まずは、アメリカと日本の子育てと学校の根本的な違いについて理解してもらう必要があります。

アメリカ人の多くの家庭では「とにかくいうことを聞きなさい」というような親子関係を築いていません。

教育の場でも、静かに座っている生徒に、先生が一方的に話をするということはありません。

先生は、生徒と対等な関係を作ろうとして、相互に意思や感情を伝達し合うコミュニケーションスタイル(いわゆる双方向コミュニケーション)を図ろうとします。そういうコミュニケーションのやり方のほうが、生徒たちが自分で考え、本当の意見を遠慮なく言えるようになると考えられているからです。

とてもいい関係性ではありますが、その影響で、どうしても、いくつかの悪い結果も伴います。

教師と生徒の関係性に伴う結果

1)日本の生徒と比べると、どうしても、生徒の落ち着きが悪くなる。インターナショナルスクールに子どもを通わせている親ならご存知のように、何となく生徒が「ワイルドだ!」というふうに見える。

2)生徒同士の意見交換や議論などコミュニケーションが多くなるため、教室自体がうるさくなり、先生の言うことが聞こえにくくなくなる

この合図は「尊重」の1つでもある

先生たちは、このAttention getters=「合図」を使うことによって、生徒に対して声をあげなくてもよくなります。

会社でも、子育ての中でも、学校でも、誰かに対して大きな声をあげると「上と下の関係」が自然とできてしまいます。学校でそのような関係性を作ってしまうと、子どもが先生(大人)のことを恐れるようになり、自己肯定感に悪影響を与え、意見を自由に述べられなくなります。

ですので「ちょっと、みんな、聞きなさい」と声をあげて生徒に言うよりも、こういうAttention gettersを先生が使うことが多いのです。

生徒にどうやってこの合図を教える?

アメリカで新しい学期が始まる時に先生が生徒さんに対して「この教室のルール」を話します。例えば、こんな教室ルールが一般的です。

アメリカの教室のルール

1)毎日、時間通りに登校する

2)宿題を必ず提出する

3)お友だちと先生たちの話をよく聞く

4)一生懸命がんばる

新しい学期の初日に、こういった教室のルールを先生たちが話します。そのルールのひとつが「先生はこういう合図をしたとき◯◯してね」というものです。

例えば、

先生
Whenever you guys get a little too rowdy, I'm going to say the words, "Alligator, alligator." As soon as you hear that, you guys need to stop what you're doing and say as loudly as you can "chomp, chomp." Let's see, can you guys do that? Let's try! Alligator, alligator. Chomp! Chomp! Very good!

和訳:「もし、皆さんが声が大きすぎると、先生が「Alligator, alligator(ワニワニ)」と大きな声で言うね。そして、それを聞いたら皆さんは大きな声で「ガブっ ガブっ」って返事してね。じゃあ、できるかな? 一回やってみようか? 「ワニワニ」!

このように、新学期の初日に教室のルールのひとつとして、先生たちがAttention gettersを生徒に教えているのです。

また、ちゃんと生徒たちに覚えてもらえるように、多くの先生がポスターとしてプリントアウトして、壁に貼ることもあります。例えば、

こういうのもあります!

これらは、私がレバイン式子育てアカデミーのために作ったものですが、オンラインのテンプレートエディタ「Canva(キャンバ)」を使えば可愛いデザインでオリジナルのものが誰でも作れますし、幼児向け知育教材サービスの「Twinkl」にもたくさんアップされています!

Attention gettersには種類が無限にある

Attention gettersの種類は無限にあります。先生の気持ちと生徒たちの興味次第なんです。

種類は無限にあるけど「分類」は何となく限られます。まず、その分類からご紹介します。

①韻を踏むパターン

子どもたちは、英語で韻を踏む言葉が好きです。そんなところから、絵本作家のDr. Seuss(ドクター・スース)が人気者になったほどです。

韻を踏むAttention gettersの合図のパターンはたくさんあります。例えば、

韻を踏む
先生
Hands on top (みんな手を上げて)
生徒
Everybody stop!(みんなストップ)
韻を踏む
先生
One two three(1-2-3)
生徒
Eyes on me!(こっちを見て)
韻を踏む
先生
One two three, eyes on me.(1-2-3、こっちを見て)
生徒
Eyes on you!(そっちを見る)

上記の事例は「会話」としては全く成り立っていませんよね。でも、そこが面白いのです!

韻を踏んでいるし、不思議な文になっているから、生徒たちは面白がるわけです。

②ジェスチャーを使うパターン

Clapping(手を叩く)するパターンもAttention getters合図として使われます。つまり、先生が声で合図を出すのではなく、体で合図を出します。例えば

体を使った合図
先生
3回連続でテンポよく手を叩く
生徒
2回連続でテンポよく手を叩く

③日頃のものと連想させるパターン

子どもたちが日ごろ見慣れたもの(電車・車とか)の擬音語もAttention gettersの合図として、よく使われています。例えば、

車イメージさせる
先生
Flat tire (タイヤがパンクした)
生徒
Shhh….(ぷしゅっ)

④映画やアニメ、ゲーム、音楽を使うパターン

映画の有名なセリフや人気の歌のセリフ、あるキャラクターの決まり文句なども結構使われます。例えば、

車イメージさせる
先生
Scooby Dooby Doo(スクービー・ドゥービードゥ)
生徒
Where are you?(どこに行った?)

「スクービー・ドゥービードゥ、どこに行った」という有名なキッズの歌(番組のテーマ曲)があります。その歌詞の一部を抜粋してAttention gettersの合図にされる先生も多いようです。

⑤有名な曲を口ずさむパターン

ベートーヴェンなどの誰でも知っていそうな有名なメロディの一部を先生が口ずさんで、それに対して、生徒がそのメロディの最後で返すというパターンもよくあります。例えば、有名なところでは、

Beethoven's 5th Symphony(ベートーヴェン交響曲第5番 )

アメリカの教師がよく使うAttention gettersの合図の一覧表を別の記事としてアップしますので、英語の教室をされている方は、ぜひ使ってみてください!

Have a great day!!

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