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アメリカの名門大学の一日
数年前に、こちらの動画に出会って、アメリカの教育の強みに改めて感動しました。
この動画は、Crimson Education(海外名門大学の進学オンライン塾)のYouTubeチャンネルにアップされているもので「アメリカの名門大学の学生の一日」を紹介している動画です。
MIT(マサチューセッツ工科大学)は合格率約4%のアメリカのエリート大学のひとつです。
この動画の観て、最も印象に残ることのは、共通テストの点数などではなく、
名門大学に通っている学生の「アイデンティティ」の強さ
に他なりません。
アイデンティティとは「自分は誰?」という問いへの答えです。
非常に深い質問なのですが、実はアメリカでは、家庭でも、実社会でも、自分自身と向き合う機会がたくさん設けられています。
そのため、私たちアメリカ人は、日頃から「自分」について考えることに慣れているといっても過言ではありません。
自分を理解することは「自己肯定感」のスタートです。
自己肯定感は「自分」の価値を知ることなので、本当の意味で自己肯定感を高めるため、自分はどういう人であるかをまず理解する必要があります。
私が運営しているレバイン式子育てアカデミーでは、アメリカと日本の「いいとこ取り」をした自己肯定感の形成方法を数多くのレッスンを通して行っています。私が教えているこの子育てフレームワークの基本としては、やはり「アイデンティティ」があります。アイデンティティは自己肯定感のコアな要素だからです。
MITの学生のインタビューで学べる3つのこと
それでは、このMITの学生の動画で、アイデンティティについて具体的に何が学べるか簡単にまとめてみましょう。
【自分を知る①】自分の夢を理解している
動画の主人公は「◯◯のような人になりたいからMITで◯◯を勉強している」というところを考えている
「MITが有名だから入った」だからとか「MITの偏差値が〜だから」などではなく「将来になりたい自分」のイメージが自分の中にはっきりとあって、MITでの学びがそのイメージとピッタリあっていたからMITを選んでいます。これが、アメリカ人の大学の選び方です。
【自分を知る②】自分自身を理解している
自分が複雑な要素でできていることを理解している
「僕はこういう人です」などのように、ひとつのことだけで自分を定義していません。
多くの場合、人の自己紹介はこのようなものになります。
私は〜(名前)です。〜歳です。仕事は〜です。
他に何を言えばいいのかわからくて、結局、自分のことは、シンプルに3つぐらいのことで定義されることが多いと思います。
もちろん、その仕事はmその人にとって「一番生き甲斐のあるもの」であれば、その自己紹介で完璧ですが、おそらくその人にも、いろんなアイデンティティがあるはずです。ただ、今まで日本の教育でも家庭でも話されていないだけだと思います。
インタビュー動画で、MITの学生は自分自身を定義するものとしてこのように話しました。
僕はこういう人。でも、こういう人でもある。そして、こういう人でもある
彼自身も言いましたが「ひとつのカテゴリーに自分を入れてはいけない」のです。
自分が他の人と違って複雑である。さまざまなパーツで自分が形成されている
インタビュー動画で、MITの学生さんが、こう語ります
自分を形成する全ての面をよく理解しているお陰で、自分のユニークさも100%意識しています。意識しているだけでなく、そのユニークさを、自分の強みにしているのです。
彼の言っていることは、まさしく「アイデンティティ」そのものです。
【自分を知る③】自分の「好き」を尊重する
自分の「好き」を尊重すること(軽く思わないこと)。そして情熱を持ってその「好き」についてもっと学ぶこと
この動画を観て、私は、何より印象に残ったのは、彼の専攻に対する情熱でした。
大学の専攻の話をすると、表情がまるで変わりました。目が輝いていました。
夢を持つ人は、その輝きが目の中にも、心の中にもあります。
やはり、夢と自己肯定感はつながっていますし、だから、アメリカで「自分は誰なの?」「自分はどんな夢を持っているの?」などを、自分と向き合う機会をたくさん設けて、家庭でも学校でも、お互いの「自分」について話し合っていることが多々あります。
今すぐ家でできること
今回のテーマはかなり深かったですが「自己肯定感」の基礎までたどり着こうとすると、やはり深いところまで掘り下げないといけないですね。
とりあえず、今日からできる簡単なこととしては
親たち自身の「自分の好き」についてお子さんにたくさん話すこと
です。
多くの親たちは「〜が好き?」とか「〜についてどう思う?」と子どもたちに聞くことが多いのですが、逆に、自分の好きなことや自分の意見をあまりお子さんに話さないという親が多いというのが、多くの子育てコンサルを経て感じた印象です。
ぜひ親御さんも、お子さんから聞かれていなくても「人が『たくさんの好き』で形成されている」ことをお子さんに見本として見せるために、お子さんに自分の好きなことも話してみてください。